初期段階から気をつけておくとよいこと

出典をメモしておく習慣を

 論文を書いている時、ふと「そういえば、以前、関係のあることをノートに書き留めたぞ」と思い出すことがあります。でも、もしそこに出典が一緒にメモされていなければ、いったい、何の本に書いてあったことなのか、誰から聞いたことなのか、思い出せないかもしれませんよね。卒論は「論文」ですから、他人の言ったことを無断で借用することは許されません。ノートにメモする時は、必ず、何の本の何ページに書いてあったか、もしくは、いつ誰が言ったことなのか、合わせて書いておくように習慣づけましょう。

Word の機能を効率的に利用する

 卒論は最終的には Word で書く人がほとんどだろうと思います。特に追い込みの時期になると、Word をどのぐらい使い慣れているかで作業効率がかなり違ってきてしまいます。

 卒論の場合は、何度も書き直す必要があるはずなので、一回書いてプリントアウトして終わり、という場合とは大きく違ってきます。「研究者のための Word 利用法」は、あまり親切な書き方ではないのでわかりにくいところも多いとは思いますが、できれば参考にしてほしいと思います。特に、例文の自動連番とクロスリファレンスの機能については好評です。

 研究室には、すでにマクロが登録されたファイルが用意されていますから、院生に使い方を習うといいでしょう。「まだ本番の論文を書き始めているわけではないし」と言う人がいますが、入力前に準備しておくことこそ、意味があるのです。いったん例文を入力してしまってから後だと、あらためて全体をやり直すことにもなりかねません。

 私からアドバイスがほしいと思っている人は、早めに準備をしておいてください。メールで添付文書をやりとりすることが多くなると思います。その場合、「同上 section 2.2.」の revision mode が活躍することになりますので。