2020 前期(文系ディシプリン科目)文学・言語学入門

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Moodle
 この授業では、Moodle を使って課題の提出などしてもらいます。原則的に音声のみの配信を行うつもりです。

講義題目

 日本語をあやつる:ことばが作る世界

授業目的

 これは、「言語学」という学問の入門レベルの授業です。「入門」であって「概論」ではありませんから、知識を身につけてもらうというよりは、この学問の楽しさにふれてもらうこと、そして、その知識を手掛かりにして、ことばを意識的にあやつれるようになるための一歩を踏み出すことを重要視しています。
 私たちは言葉から一時たりとも離れていることがない日常生活を送りながら、言葉そのものについては、あまり注目していないことがほとんどです。この授業では、言語の仕組み/成り立ちに目を向けることによって、どのような世界が広がるのか、それを体感してほしいと思っています。ですから、正解を覚えることが目標ではありません。どういう意見があるのか情報を集めることも目標ではありません。みなさん自身が頭の中にある言葉というものを観察して、自分の感覚と向き合ってほしいと思っています。もちろん、私が紹介できる「ことばの世界」は限られていますが、なるべくいろいろな言葉の側面をみなさんに見せることができればと思っています。

授業内容

(更新日:2020.05.04)
第1回 2020.05.07.
内容 この授業の目標について
授業の進め方についての説明
教科書の該当箇所
第2回 2020.05.14.
内容 音素
教科書の該当箇所 1.1. 日本語の音はいくつある?
1.2. 3つの「ん」
第3回 2020.05.21.
内容 音素と文字
教科書の該当箇所 1.3. 「っ」ってどんな音?
1.4. どうして「な゙」はないのか
第4回 2020.05.28.
内容 形態素 複合語 語幹 母音語幹 子音語幹
教科書の該当箇所 2.1. 単語の中の単語
2.2. 「読」も「よ」、「呼」も「よ」
第5回 2020.06.04.
内容 日本語の動詞の活用
教科書の該当箇所 2.3. 活用がどうした
2.4. 走った、ころんだ、泣いた
第6回 2020.06.11.
内容 項と付加詞 助詞の「意味」
教科書の該当箇所 3.1. 最後がカナメ
3.2. 田中君へ順子より
第7回 2020.06.18.
内容 自動詞と他動詞 ヴォイス が/は
教科書の該当箇所 3.3. 人を集まる!?
3.4. 僕が学生です!?
第8回 2020.06.25.
内容 埋め込み文/さまざまな構文 テンス/アスペクト/ムード
教科書の該当箇所 3.5. 文の中の文
3.6. 飲んだら乗るな、乗るなら飲むな
第9回 2020.07.02.
内容
教科書の該当箇所 4.1. 韓国語
4.2. 中国語
第10回 2020.07.09.
内容
教科書の該当箇所 4.3. フランス語
4.4. スペイン語
第11回 2020.07.16.
内容
教科書の該当箇所 4.5. イタリア語
4.6. ラテン語
第12回 2020.07.23.
内容
教科書の該当箇所 4.7. ドイツ語
第13回 2020.07.30.
内容
教科書の該当箇所 4.8. インドネシア語
4.9. タガログ語
第14回 2020.08.06.
内容 比較言語学 類型論 生成文法 総括とまとめ
教科書の該当箇所 5.1.  共通の祖先をさぐる
5.2. 現在の姿から共通性をとりだす
5.3. 動物の「ことば」
5.4. なぜ子供はしゃべれるようになるのか
5.5. 人間の脳とことば

教科書

  • 上山あゆみ (1991) 『はじめての人の言語学 〜ことばの世界へ』 くろしお出版。 \2200。
 授業は、基本的に教科書に沿って進めていきますが、この教科書は一人でも読める平易なものなので、授業では、できる範囲で両方向的な意見交換ができる状況を作れればと考えています。この教科書の購入を義務づけるつもりはありませんが、外国語についての話の部分は、教科書があったほうが授業が聞きやすいだろうと思います。

参考書

  • 益岡隆志・田窪行則 (1992) 『基礎日本語文法 改訂版』 くろしお出版。 \2300。
  • 窪薗晴夫 編著 (2019) 『よくわかる言語学』 ミネルヴァ書房。\2600。
 上の教科書よりも、もう少し突っ込んだ内容の本です。こちらも、もちろん購入は義務的ではありません。

単位の認定と提出物について

  • 学期末試験は課さない。
  • 単位は、予習課題・復習テスト等の提出物に基づいて判定する。