上山の指導のもとで卒論を書こうと思っている人へ

連絡は E メールで、こまめに

 私は、研究室にいる時間はほとんど他の学生さんとの appointment 中なので、突然来られると、たいていの場合、ゆっくり話ができないと思います。困ったことがあれば、いつでも気軽に E メールで連絡をください。E メールは、たいていの場合、頻繁にチェックしているので、一番連絡がつきやすいと思います。2、3日しても返事がない場合には、遠慮なく確認してもらって結構です。メールの不着事故というものは、時々あるものですからね。

 また、学生さんとしてはどうしても「もう少しまとまってからでないと、話に行くわけにはいかないのでは」と思ってしまいがちのようですが、そんなことはありません。「今、こういうことをしているところです」「こういうことで困っているところです」などの連絡をくれれば、それなりの対処ができます。もちろん、「もう少しそのままがんばって自分の頭をひねってみてください」という返事の場合もあるでしょうが、「え、現段階で、その心配をする必要はありませんよ」という場合も結構多いものです。いろいろ遠回りをしながら苦労するのも、卒論の良い思い出の一つにはなるでしょうが、それだけで終わってしまうわけにもいかないので、手遅れにならないように、工夫しましょう。

添付ファイルについて

 卒論作成の過程では、ファイルのやりとりが多くなると思いますので、まずは、Word の効率的な使い方をよく理解してください。(おおまかには、「研究者のための Word 利用法」 に書いてありますが、もう少し詳しくて実用的な「言語学研究室バージョン」がありますので、私か院生さんかに言ってコピーをもらってください。)

 ファイル名のつけ方にも注意しましょう。重要なことがいくつかあります。

  1. 誰の何のファイルかわかるようにしておく。
  2. 以前送ってきたファイルと1箇所でも変更した場合は、ファイル名を同じにしておかない。
  3. ファイル名が極端に長くなりすぎないようにする。
  4. ファイル名になるべく全角文字を混入させない。(これは禁止というわけではありませんが、ファイル名に全角文字と半角文字が混じっている場合、文字化けが起こりやすいようです。)

 自分のコンピュータの中の整理だけならば、「何のファイルか」がわかれば、それで十分でしょう。しかし、教員のところには、同じ時期に複数の学生さんからファイルが届くということを考えてください。単に「report」というだけでは、どれが誰のファイルなのか、とてもわかりにくいのです。ファイル名に自分の名前の一部を含めておいてもらえると、大変助かります。full name である必要はありません。他の人と区別できればイニシャルだけでも十分です。(逆に同姓の学生さんがいる場合には、名字だけでは不十分ですよね。)

 送ってくるたびにファイル名を変えるのは面倒だと思うかもしれませんが、単に「ueyama-handout01」「ueyama-handout02」というように番号を1つずつ増やしていく方式にしてもいいですし、「ueyama-handout050329」のように日付をファイル名に含めるようにしてもよいでしょう。後者のほうが「今、何番だったっけ?」と見直す必要がないという点では便利ですが、追い込みのときになると、同じ日に何度もファイルをやりとりすることになるので、結局「ueyama-handout050329-2」などの工夫が必要になってくることもよくあります。どの方法でもよいですから、自分なりに一貫して使える方法を工夫しておきましょう。最後の提出の段階になって、あわてて、最終バージョンでないものを印刷してしまった、などの失敗談もときどき聞きます。どうしても、どんどんファイルが増えてきますから、自分のコンピュータの中の整理のためにも、ファイル名のつけ方の方針を決めておくのは意味があるだろうと思います。

 また、ファイル名を頻繁に変えることによって、結果的にバックアップファイルがたくさん残るという効能もあります。卒論を書いたほぼ全員が、どこかの時点で何らかのコンピュータトラブルを体験していると言っても過言ではないでしょう。どうしても使用時間が長くなりますから、予測できないトラブルが起こる確率が高くなるのです。頻繁にファイルを私のところに送ってきておけば、たとえ急に自分のコンピュータがまったく使えない状態になったとしても、私のところにあるファイルを受け取って、研究室のコンピュータで作業を続けることができますよね。遠慮なく「ファイルのバックアップ場所」として利用してもらって結構です。

revision mode

 私がファイルにコメントをする場合には、必ず、元のファイル名の最後に「-au」というのを加えたファイル名にして返送します。「-au」がついていれば、Ayumi Ueyama のコメント入りのファイルだということです。書き込みは原則的に「revision mode」で行いますので、その機能をよく知らない人は、「2.2. revision mode」もしくは、「言語学研究室バージョン」の対応する部分をよく読んで、使い方に慣れてください。

 私のコメントに従って改訂版を作る場合、私の書き込みで納得した場合には、その変更を「反映」させておいてください。(迷っている場合には、そのまま残しておいてもらっても結構ですが。)また、自分が直したところがほんの少しの場合には、学生さん側も「revision mode」で書き込んでもらえると助かりますが、大幅な変更の場合には、普通に書いてもらったほうが読みやすいですね。そのあたりは、ケースバイケースになります。