2005 前期(学部生向け)言語学・応用言語学演習 II

ここに連絡事項を掲載することがありますので、受講者はときどきチェックするようにしてください。
2005.7.6.
 前回の授業で言ったとおり、次回は最終回です。授業に関する評価・感想をメールで提出してください。締め切りは、課題と同じ7月10日です。よろしくお願いします。

講義題目

 実践的論理学〜論文の書き方と考え方

授業目的

 卒論のように1つのテーマを掘り下げ考察し、それを人にわかるように書くためには、「論理」の力が不可欠である。しかし、授業で「論理学」を習っても、それだけで論理的な文章が書けるようになるわけではない。どのようにすれば、論理学の知識を自分の思考に生かすことができるのか、これは、各個人が実践を通して習得していくしかないことである。「論理的に考え、書く」ということは、到底、1学期の授業で達成しうることではないが、この授業では、そのための一歩を踏み出すきっかけをつかんでくれればと考えている。

 この授業では、話を具体的にするために、「論理的な文章一般」というよりも、できるだけ「言語学の論文として望まれること」について言及していきたい。また、学生が実際に取り組んでいるテーマについても、可能な範囲で取り上げていきたいと考えている。そこで、この授業については、言語学・応用言語学専攻の学生に限ることにしたい。授業の主たるターゲットは、これから卒論を控えている4年生であるが、来年度はこのような授業を開講しないので、3年生もぜひ参加してほしいと思っている。

 授業の主軸となるのは「考え方・考えの進め方」であるが、実際に論文を書いていく際には、「ワープロソフトの使い方」も大きなポイントになってくる。「ソフトの使い方」というと、単に技巧的な問題に思われやすいが、実は、道具の使い方が思考そのものに影響を与える面もあり、必ずしも表層的な問題ではない。これについても、一回説明をすれば、それで身につくというものでもないので、授業の中の提出物を通して、どういう点が重要か、具体的に説明していきたい。

教科書

  • 野矢 茂樹 (1997) 『論理トレーニング』、産業図書。¥2,400

参考書

  • 香西秀信 (1995) 『反論の技術』、オピニオン叢書20 明治図書。¥1760
  • 山田ズーニー (2001) 『伝わる・揺さぶる!文章を書く』、PHP新書。¥660

授業の進め方

 教科書は、12章からなっており、それぞれの章の最後に練習問題がついている。授業の基本的な流れは次の通り:
第 n 週の授業
教科書・第 n 章の説明
宿題:第 n 章の練習問題
第(n+1)週の授業
第 n 章の練習問題についての説明・討論
教科書・第(n+1)章の説明
ただし、特に教科書の初めのほうは、授業の中で内容を詳しく説明せずとも、各自読んでもらえばわかると思うので、この時期に、Word の使い方の説明を済ませておきたいと考えている。

授業内容

(更新日:2009.06.26)
第1回 2005.04.12.
説明する内容 この授業の目標と進め方の説明
「論文を書くための Word 利用法」 section 1, section 2
(第1章 順接の論理)
次回までの宿題 No.1
「第1章 順接の論理」を読む。第1章の練習問題を提出する。授業で指定した Word についての文書を download して、section 3 の作業を実際にやってみる。
第2回 2005.04.19.
説明する内容 第1章の練習問題の説明
第2章 逆接の論理
「論文を書くための Word 利用法」 section 3, section 4
次回までの宿題 No.2
「第2章 逆接の論理」を読む。第2章の練習問題を提出する。
第3回 2005.04.26.
説明する内容 第2章の練習問題の説明
第3章 議論の構造
「論文を書くための Word 利用法」 section 5
次回までの宿題 No.3
「第3章 議論の構造」を読む。第3章の練習問題を提出する。
第4回 2005.05.10.
説明する内容 Word 宿題1の説明
第3章の練習問題の説明
第4章 論証の構造
第5章 論証の評価
次回までの宿題 No.4
「第4章 論証の構造」を読む。第4章の練習問題を提出する。
「Word 宿題1」を提出する。
第5回 2005.05.17.
説明する内容 第4章の練習問題の説明
Word 宿題1の解説
Word 宿題2の説明
次回までの宿題 No.5
「第5章 論証の評価」を読む。
第5章の練習問題のかわりに、homework5.doc を download して、(i) 論証の流れを整理し、(ii) なるべく反論点を見つける。
word2.doc を適切な書き方に直して提出する。
第6回 2005.05.24.
説明する内容 宿題の解説
第6章 推測
次回までの宿題 No.6
「第6章 推測」を読む。
第6章の練習問題のかわりに、homework6.doc を download して、(i) 論証の流れを整理し、(ii) なるべく反論点を見つける。
・自分が今までに書いた言語学関連のレポート or 宿題(1〜3ページ程度)を適切な書き方に直して提出する。
第7回 2005.05.31.
説明する内容 宿題の解説
第7章 価値評価
次回までの宿題 No.7
「第7章 価値評価」を読む。
第7章の練習問題のかわりに、homework7.doc を download して、(i) 論証の流れを整理し、(ii) なるべく反論点を見つける。
第8回 2005.06.07.
説明する内容 宿題の解説
第8章 否定
次回までの宿題 No.8
「第8章 否定」を読む。第8章の練習問題を提出する。
第9回 2005.06.21.
説明する内容 第8章の練習問題の説明
第9章 条件構造
次回までの宿題 No.9
「第9章 条件構造」を読む。第9章の練習問題を提出する。
第10回 2005.06.28.
説明する内容 第9章の練習問題の説明
第10章 推論の技術
次回までの宿題 No.10
「第10章 推論の技術」を読む。第10章の練習問題を提出する。
第11回 2005.07.05.
説明する内容 第10章の練習問題の説明
第11章 批判への視点
次回までの宿題 No.11
「第11章 批判への視点」を読む。第11章の練習問題のかわりに、homework11 を提出する。
第12回 2005.07.12.
説明する内容 第11章の練習問題の説明
第12章 論文を書く
卒論テーマ発表会について
次回までの宿題 No.12
「第12章 論文を書く」を読む。

宿題について

  • 宿題は、当該授業の前々日(つまり日曜日)の17:00までに必着とする。
  • 宿題の提出は e-mail でhomework[@]gges.xyz (← @ の前後の [ ] を取り除いたものがメールアドレス)宛てに送ることとする。
  • メールのSubject(件名):「宿題##-名前」
    たとえば、No.4の宿題を田中大輝くんが提出する場合の件名は、「宿題4-田中大輝
  • 宿題本文の冒頭に、学年・氏名を書くこと。課題のあとに、授業の感想・質問・自己紹介・メッセージなども自由に記載してもらってかまわない。
  • なるべく、添付ファイルで提出してほしい。ファイル名も「宿題##-名前」というふうにすること。
  • 出典がある場合には、その出典を必ず明記すること。
  • メールがこちらに到着したら「受け取りました」というメールが自動返信されるはずなので、それが来ない場合には、宛て先etc.が正しいかどうかをチェックして再度送信すること。
  • 宿題は、(i) (締め切りまでに)提出されたかどうかと (ii) 内容の出来(A:特別に良い/B:普通にちゃんと出来ている/C:提出はされているが内容がともなっていない) の両方を評価する。

単位の認定と提出物について

  • 学期末試験は課さない。
  • 単位は、宿題と授業の参加状況に基づいて判定する。
  • 課題の提出状況とその時点での暫定的な予想評点を表にして公開するので、気になる人は、授業終了時に参照して対策を相談してほしい。