2015 前期(文系ディシプリン科目)文学・言語学入門

ここに連絡事項を掲載することがありますので、受講者はときどきチェックするようにしてください。
Moodle
 どうやら、Moodle というのは、ずいぶん使いやすいようなので、そちらが使える人はなるべく Moodle から予習課題を提出するようにしてください。どうしてもうまく行かない人だけメールでも可、ということで。。。
 次回は、出席も Moodle でとることを考えているので、みなさん、そのつもりで!
受講制限について
 2306 の教室は、全部座って 211名なのに対して、第1回目の授業の出席カードを提出した人が 229名、そして、その後数名から、「2回目の授業から出席したいのですが...」というメールが届いている状況です。
 確かに、全員が座って授業を聞けない可能性がある、というのは、あまり望ましい状況ではないのだけれど、抽選をして座席数分まで受講許可を減らすとした場合、
  「これ以上、文学部の学生さんが減ると、ちょっと寂しい」
  「かと言って、全学教育の科目なのだから、文学部の学生さんは抽選の対象にしない、というのは、筋が通らない」
というふうに思うので、もう受講制限はしないことにしました。
 ですから、もし、みんなが真面目に出席するならば、始業時間に遅れると、もう席がない、ということもありえますが、その点、ご理解ください。

講義題目

 ことばの世界へ

授業目的

 これは、「言語学」という学問の入門レベルの授業です。「入門」であって「概論」ではありませんから、知識を身につけてもらうというよりは、この学問の楽しさにふれてもらうことが第一の目的です。私たちは言葉から一時たりとも離れていることがない日常生活を送りながら、言葉そのものについては、あまり注目していないことがほとんどです。この授業では、言語の仕組み/成り立ちに目を向けることによって、どのような世界が広がるのか、それを体感してほしいと思っています。ですから、正解を覚えることが目標ではありません。どういう意見があるのか情報を集めることも目標ではありません。みなさん自身が頭の中にある言葉というものを観察して、自分の感覚と向き合うことが目標です。
 もちろん、私が紹介できる「ことばの世界」は限られていますが、なるべくいろいろな言葉の側面をみなさんに見せることができればと思っています。
 授業は、基本的に教科書に沿って進めていきますが、この教科書は一人でも読める平易なものなので、授業では、できる範囲で両方向的な意見交換ができる状況を作れればと考えています。

授業内容

(更新日:2015.06.23)
第1回 2015.04.15.
教科書の該当箇所
説明する内容 この授業の目標について
授業の進め方についての説明
予習課題
第2回 2015.04.22.
教科書の該当箇所 1.1. 日本語の音はいくつある?
1.2. 3つの「ん」
説明する内容 音素
予習課題 自分の「ん」の発音を観察して、どういう場合にどういう発音をしているか、報告してください。
第3回 2015.05.7.
教科書の該当箇所 1.3. 「っ」ってどんな音?
1.4. どうして「な゙」はないのか
説明する内容 音素と文字
予習課題 ひらがな1字に相当するものの中で、発音するときの長さに違いがあるかどうか、観察して報告してください。
第4回 2015.05.20.
教科書の該当箇所 2.1. 単語の中の単語
2.2. 「読」も「よ」、「呼」も「よ」
説明する内容 形態素 複合語 語幹 母音語幹 子音語幹
予習課題 複合語には、どのようなタイプのものがあるか、例をあげて述べてください。
第5回 2015.05.27.
教科書の該当箇所 2.3. 活用がどうした
2.4. 走った、ころんだ、泣いた
説明する内容 日本語の動詞の活用
予習課題 日本語の「活用」と英語の「活用」には、どのような共通点/相違点があると思いますか。
第6回 2015.06.03.
教科書の該当箇所 3.1. 最後がカナメ
3.2. 田中君へ順子より
説明する内容 項と付加詞 助詞の「意味」
予習課題 格助詞を1つ選んで、その「意味」について、例をあげて説明してください。
第7回 2015.06.17.
教科書の該当箇所 3.3. 人を集まる!?
3.4. 僕が学生です!?
説明する内容 自動詞と他動詞 が/は
予習課題 ガとハの違いについて、日本語を勉強している留学生に質問されました。どのように説明しますか。
第8回 2015.06.24.
教科書の該当箇所 3.5. 文の中の文
3.6. 飲んだら乗るな、乗るなら飲むな
説明する内容 複文 時制とアスペクト/ムード
予習課題 日本語の「現在形/過去形」と英語の「現在形/過去形」について、どのような共通点/相違点があると思いますか。
第9回 2015.07.01.
教科書の該当箇所 4.1. 韓国語
4.2. 中国語
説明する内容
予習課題 韓国語と中国語について、自分の知っていることを書いてください。
第10回 2015.07.08.
教科書の該当箇所 4.3. フランス語
4.4. スペイン語
4.5. イタリア語
説明する内容
予習課題 フランス語・スペイン語・イタリア語について、自分の知っていることを書いてください。
第11回 2015.07.15.
教科書の該当箇所 4.6. ラテン語
4.7. ドイツ語
説明する内容
予習課題 ラテン語・ドイツ語について、自分の知っていることを書いてください。
第12回 2015.07.22.
教科書の該当箇所 4.8. インドネシア語
4.9. タガログ語
説明する内容
予習課題 インドネシア語・タガログ語について、自分の知っていることがあれば書いてください。
第13回 2015.07.29.
教科書の該当箇所 5.1.  共通の祖先をさぐる
5.2. 現在の姿から共通性をとりだす
5.3. 動物の「ことば」
5.4. なぜ子供はしゃべれるようになるのか
5.5. 人間の脳とことば
説明する内容 比較言語学 類型論 生成文法
予習課題 時代につれて言葉が変わるのはどうしてだと思いますか。

教科書

  • 上山あゆみ (1991) 『はじめての人の言語学 〜ことばの世界へ』 くろしお出版。 \2300。

単位の認定と提出物について

  • 学期末試験は課さない。
  • 単位は、予習課題・復習テスト・レポート等の提出物に基づいて判定する。

予習課題について

 予習課題は、いわゆる「正解」に近いかどうかで評価されるわけではないので、検索して調べるのではなく、自分の頭で考えること。提出されたものを授業の材料の一部として用いることもある。
<締め切り>
予習課題は、当該授業の週の月曜日の17:00までに必着とする。
<提出方法>
  • 予習課題の提出は e-mail で。宛て先は、授業中に指示する。
  • メールのSubject(件名):「予習##-名前(所属学部)」
  • たとえば、第2回の授業のための予習課題を田中大輝くんが提出する場合の件名は、「予習2-田中大輝(文)」
    <書き方>
  • メール本文の冒頭に、所属・学年・氏名を書くこと。
  • 出典がある場合には、その出典を必ず明記すること。
  • 課題のあとに、授業の感想・質問・自己紹介・メッセージなども自由に記載してもらってかまわない。
  • <添付ファイル>
    添付ファイルによる予習課題の提出も一応受け付けるが、テキストだけの内容の場合は、なるべくe-mailの本文に直接書いてもらった方がありがたい。何らかの理由でファイルを添付する場合には、そのファイル名も、メールの件名と同じく、「予習##-名前(所属学部)」というふうにすること。
    <評価>
    予習課題は、(i) (締め切りまでに)提出されたかどうかと (ii) 内容の出来(A:特に個性的であり、内容に説得力もある/B:自分の頭で考えたことがわかる/C:提出はされているが明らかに手抜きである) の両方を評価する。