2013 後期(学部生向け)言語学・応用言語学講義 II

ここに連絡事項を掲載することがありますので、受講者はときどきチェックするようにしてください。
2014.1.31.
 ようやく、ETGUI が再度、使えるようになりました。インストールしなおしてもらわないといけないけれど、「上山の授業のためのファイル置き場」にファイルと説明を置いてありますから、やってみてください。うまく行かない場合には、メールで連絡してください。

講義題目

 日本語の基本構造

授業目的

 文の構造というものは、研究が進むにつれて新しい側面が明らかになっていくものであるから、定まった1つの答えがあるわけではないが、ある程度、衆目の一致する面もある。この授業では、具体的にいろいろな日本語の文を取り上げ、その構造について、どういう点をおさえておかなければならないかを議論する。基本的な構文ならば、大体の構造図が書けるようになることが目標である。受講学生の制限はないが、授業の主たるターゲットとして、言語学・応用言語学専攻の2・3年生を想定している。

 まず、予習課題として、授業内容と関連する例文を自分で考えたり、その意味や構造について考えてきてもらう。そこで提出された例文に言及しながら、授業では、当該構文の構造について議論していく。(予習課題提出に関する詳しいことについては、下の項目を参照のこと。)

 文の構造図は、自分で書いてみて初めて、様々な細かい点に注意を向けることができるようになる。この授業では、毎授業の開始時に、復習テストとして構造図を書く練習をしてもらい、そこであらためて出てきた疑問点にも答えていく。この復習テストは出欠確認を兼ねており、細かい得点化はしないが、よっぽど出来の悪いものは区別したいと思っている。

 また、最低1本のレポートを仕上げて提出することを単位認定の条件の1つとする。冬休み前に課題を提示するので、レポートでは、その構文の構造図はどのようなものか、理由をつけて説明した上で、結論としての構造図を書いてもらう。(レポート課題提出に関する詳しいことについては、下の項目を参照のこと。)

授業内容

(更新日:2013.02.14)
第1回 2013.10.03.
説明する内容 授業の進め方についての説明
予習課題の件名
この授業のための予習課題 なし
第2回 2013.10.10.
説明する内容 樹形図に関わる用語と概念
予習課題の件名 ling01-姓名(専攻)
この授業のための予習課題 1回目の授業のときに渡したプリントにしたがって、文の容認性判断の実験に参加してください。
第3回 2013.10.31.
説明する内容 TreeDrawer
予習課題の件名 ling02-姓名(専攻)
この授業のための予習課題 再度、http://www.gges.xyz/epsa4/enrollx-j.cgi?done=login からメールアドレスを入力してログインし、「No. 46 上山先生の学生さん用 その2」と「No.47 上山先生の学生さん用 その3」の実験に参加し、終了したら、前回と同じように、メールで知らせてください。(次の授業まで3週間あるので、かなりの量になっています。一度にやってしまう必要はありません。)
第4回 2013.11.07.
説明する内容 名詞+「の」
予習課題の件名 ling03-姓名(専攻)
この授業のための予習課題 今日の説明にしたがって、自分のパソコンにETGUIやTreeDrawerがインストールできる環境の人はインストールしてください。その上で、授業でも説明したように、画面下のボックスに「(a11)」と入力して、Inputボックスに「f」を入力し、どのような樹形図が提示されるか確認してください。そして、Inputボックスに「sr」そして「db」と入力して、出てきた表示をメールの画面にコピーして予習課題として送ってください。Inputボックスに「q」を入力して、Inputボックスを表示させない状態にしてから、画面をなぞってコピーします。送ってくれるのは、「Working Table」と書いてある下の部分だけでかまいません。
第5回 2013.11.14.
説明する内容 述語と項の意味役割・格助詞
予習課題の件名 ling04-姓名(専攻)
この授業のための予習課題 juniorのプログラムを立ち上げて画面下のボックスに「(traS "ジョンがメアリを誘った").」と入力し、Mergeを行ってGrammaticalな構造を生成してください。できたら、inputボックスに「f」を入力して、できた樹形図をWord文書に貼り付け、そのWord文書をメールに添付して送信してください。Word文書のファイル名は、メールの件名と同じにすること。(もし、どうしてもGrammaticalな構造ができなければ、Ungrammatical! な樹形図を送ってくれて、かまいません。)
第6回 2013.11.21.
説明する内容 連体修飾節
予習課題の件名 ling05-姓名(専攻)
この授業のための予習課題 juniorのプログラムを立ち上げて画面下のボックスに「(traS "ジョンが誘った女の子").」と入力し、Mergeを行ってGrammaticalな構造を生成してください。できたら、inputボックスに「sr」そして「db」を入力して、出てきた意味表示をメールにコピペして送ってください。(なるべく、Grammaticalな構造を作りましょう。どうしても、できなければ、Ungrammatical! な構造の意味表示でも仕方がありませんが、その場合には、メールに明記してください。)
第7回 2013.11.28.
説明する内容 使役構文
予習課題の件名 ling06-姓名(専攻)
この授業のための予習課題 2013/11/20 バージョンのjuniorのプログラムとjunior-lexiconをダウンロードして、プログラムフォルダに置いてください(junior-lexicon は上書きしてください)。
juniorのプログラムを立ち上げて画面下のボックスに「(traS "ジョンがメアリにオレンジを食べさせた").」と入力し、Mergeを行ってGrammaticalな構造を生成してください(必ずcheckコマンドを実行すること)。できたら、inputボックスに「sr」そして「db」を入力して、出てきた意味表示をメールにコピペして送ってください。(checkコマンドの結果がどうしてもUngrammatical! な場合には、そのことをメールに明記すること。)
第8回 2013.12.05.
説明する内容 復習
予習課題の件名 ling07-姓名(専攻)
この授業のための予習課題 2013/11/21 バージョンのjuniorのプログラムとjunior-lexiconをダウンロードして、プログラムフォルダに置いてください(junior-lexicon は上書きしてください)。
juniorのプログラムを立ち上げて画面下のボックスに「(traS "ジョンがメアリにオレンジを食べられた").」と入力し、Mergeを行ってGrammaticalな構造を生成してください(必ずcheckコマンドを実行すること)。できたら、inputボックスに「sr」そして「db」を入力して、出てきた意味表示をメールにコピペして送ってください。(checkコマンドの結果がどうしてもUngrammatical! な場合には、そのことをメールに明記すること。)
第9回 2013.12.12.
説明する内容 受身構文
予習課題の件名 ling08-姓名(専攻)
この授業のための予習課題 再度、juniorのプログラム(2013/11/21 バージョン)で、「(traS "ジョンがメアリにオレンジを食べられた").」と入力し、Mergeを行ってGrammaticalな構造を生成してください(必ずcheckコマンドを実行すること)。fコマンドで樹形図を描き、それをWord文書に添付してください。その上で、csコマンド、および、sr/dbコマンドを行い、Mergeの適用順序と意味表示を、そのWord文書にコピペして送ってください。(checkコマンドの結果がどうしてもUngrammatical! な場合には、そのことも明記すること。)
第10回 2013.12.19.
説明する内容 副詞の意味と構造
予習課題の件名 ling09-姓名(専攻)
この授業のための予習課題 次の文の構造はどのようになっていると考えられるべきか。TreeDrawerで樹形図を描き、Wordファイルに貼り付けて、メールに添付して送ってください。
  ジョンが白い箱をゆっくりと持ち上げた。
第11回 2014.01.23.
説明する内容 「は」と「が」
予習課題の件名 ling10-姓名(専攻)
この授業のための予習課題 次の文の構造はどのように考えるべきか、自分の意見もしくは問題点を述べなさい。
  このセーターは色がきれいだ。
第12回 2014.01.30.
説明する内容 さまざまな語順
予習課題の件名 ling11-姓名(専攻)
この授業のための予習課題 以前と同じように、http://www.gges.xyz/epsa4/enrollx-j.cgi?done=login からメールアドレスを入力してログインし、「No. 49 上山先生の学生さん用」の実験に参加し、終了したら、メールで知らせてください。

参考書

授業のバックグラウンド的な内容のもの
  • 上山あゆみ (1991) 『はじめての人の言語学 〜ことばの世界へ』 くろしお出版。 \2300。
  • 庵 功雄 (2001) 『新しい日本語学入門 〜ことばのしくみを考える』 スリーエーネットワーク。 \1800。
授業よりも進んだ内容のもの
  • 郡司隆男 (2002) 『単語と文の構造』 現代言語学入門3、岩波書店。\3200
  • 北川善久・上山あゆみ (2004) 『生成文法の考え方』 研究社。\2800

単位の認定と提出物について

  • 学期末試験は課さない。
  • 単位は、予習課題・復習テスト・レポート等の提出物に基づいて判定する。
  • 課題の提出状況とその時点での暫定的な予想評点を表にして公開するので、気になる人は、授業終了時に参照して対策を相談してほしい。

予習課題について

 予習課題は、指定された特徴を持つ例文を考え、その構造について考察するというものが多い。例文は自分の頭で考えても、何か資料から集めても、どちらでもかまわない。例がワンパターンだと、構造についてのヒントも見つかりにくくなるので、いろいろ工夫してみてほしい。提出されたものを授業の材料の一部として用いることもある。
<締め切り>
予習課題は、当該授業の週の月曜日の17:00までに必着とする。
<提出方法>
  • 予習課題の提出は e-mail で。宛て先は、授業中に指示する。
  • メールのSubject(件名):「ling##-姓名(専攻)」
    たとえば、「ling02-田中大輝(言語)
  • <書き方>
  • メール本文の冒頭にも、専攻・学年・氏名を書くこと。
  • 出典がある場合には、その出典を必ず明記すること。
  • <添付ファイル>
    添付ファイルによる予習課題の提出も受け付けるが、テキストだけの内容の場合は、なるべくe-mailの本文に直接書いてもらった方がありがたい。
    何らかの理由でファイルを添付する場合には、そのファイル名もメールの件名と同じく、「ling##-姓名(専攻)」というふうにすること。
    <評価>
    予習課題は、(i) (締め切りまでに)提出されたかどうかと (ii) 内容の出来(A:特別に良い/B:普通にちゃんと出来ている/C:提出はされているが内容がともなっていない) の両方を評価する。

    レポート課題について

    <提出方法>
    レポート課題の提出は、予習課題とは別の e-mail で。提出先は予習課題と同じ。
  • メールのSubject(件名):「report#-姓名(専攻)」
    たとえば、言語学の田中大輝くんがレポート課題候補1を選択して提出する場合の件名は「report1-田中大輝(言語)
  • <書き方>
  • メール本文の冒頭に、専攻・学年・氏名を書くこと。
  • 出典がある場合には、その出典を必ず明記すること。
  • <添付ファイル>
    レポート課題は、原則として添付ファイルで提出すること。
    ファイル名もメールの件名と同様に、「report#-姓名(専攻)」とする。
    <コメント>
    レポート課題には、原則としてコメントを返送する。コメントはメール本文に書く場合もあれば、添付ファイルに書き込む場合もある。上山のコメントの入ったファイルは、オリジナルと区別するために、ファイル名の最後に「-au」と記されている。たとえば、「report1-田中大輝(言語)」というファイルにコメントが加えられると、「report1-田中大輝(言語)-au」というファイル名で返送される。
    <レポートの修正>
    レポート課題が主旨を取り違えている場合はもちろん、内容をよりよいものにするために、多くの場合、内容の改訂を求める。やり直したレポートを提出する場合には、ファイル名に提出回数を含めること。たとえば、初めて提出した場合のファイル名が「report1-田中大輝(言語)」ならば、2回目に提出する時のファイル名は「report1-田中大輝(言語)-2」となる。なお、1回目の上山からの返事を引用した形のメールにすること。
    <締め切り>
    レポート課題の第1稿の締め切りは1月30日、最終版の提出の締め切りは2月20日とする。特に、今年度卒業予定の人は、これ以上遅くなると、単位が出せないので、気をつけること。
    <評価>
    レポート課題は、最終版の出来によってA+ 〜 C の評価をする。