2007 放送大学(福岡学習センター)・面接授業(専門科目:人間の探究)

2007.10.07.
 授業の内容を少し書き足しました。教科書を使わない授業ですので、こちらで資料を用意するつもりですが、なるべく、予定に縛られすぎないようにして、インタラクティブにやっていきたいと考えています。受講生のみなさん、よろしくお願いします。

2007.10.03.
 授業の日が迫ってきたので、ひとまずの予定を出しておきますが、なにぶんにも、初めての形態の授業なもので、まだ迷っているところがたくさんあります。今週末にでも、もう少し考えを煮つめて、書き加える予定です。

■ 授業の概要

 この授業では、「日本語を知っているとは、どういうことなのか」「ことばを使ってコミュニケーションをするとは、結局どういうことなのか」という問題について受講生の皆さんと意見の交換をしながら、生成文法の立場にたった言語観を紹介したいと思っています。

■ 単位の認定について
  • 授業中に何回か、小テストのようなものを行ないます。成績判定は、授業への参加状況と、その小テストに基づいて評価します。

授業内容

(更新日:2009.06.26)
第1回 2007.10.20.(1) 10:00-12:15
テーマ 指示詞コ・ソ・アの使い分けについて、考えてみる
内容 「コ・ソ・ア」の区別なんて、誰でもわかってる簡単なことだなんて、思ってしまっていませんか。実は、日本語の指示詞の区別を掘り下げていくと、「割り切れないこと」がいくらでも出てきます。
 まず、
 (a) あの椅子は、どこで買ったの
 (b) その椅子は、どこで買ったの
について、どのような場合に(a)が使えて(b)が使えないか、どのような場合に(b)が使えて(a)が使えないか、グループに分かれて、みなさん自身で少し考えてみてほしいと思います。なるべく具体的な状況/文脈をあげて考えるようにしましょう。
第2回 2007.10.20.(2) 13:05-15:20
テーマ 指示詞コ・ソ・アの違い(1)
内容 その上で、今までにどのような分析がされてきているかを、少し紹介しましょう。どれか1つの分析が完璧で他のものが不十分だというわけではありません。「目のつけどころ」の違いによって、どのように説明が異なってくるか、注目してほしいと思います。
第3回 2007.10.20.(3) 15:40-17:55
テーマ ことばの意味とコミュニケーション
内容 2時限目に紹介した「目のつけどころ」の中で、最も良く指示詞の違いの本質をとらえているものは、実は、言語全般にわたって、とても重要なものだと考えています。その観点から、「生成文法」という言語観を紹介します。
第4回 2007.10.21.(1) 10:00-12:15
テーマ 指示詞コ・ソ・アの違い(2)
内容 指示詞には、前日に観察したのとは、また異なる側面での対立があります。「連動読み」ができるかどうかという違いです。この時間は、連動読みという現象について紹介しましょう。
第5回 2007.10.21.(2) 13:05-15:20
テーマ ことばの獲得と文法
内容 連動読みを例にとりながら、生成文法の言語観について、さらに説明していきます。具体的な観察としては、指示詞と連動読みの話だけに基づいて話を進めますので、巷に出ている生成文法の本とは、かなり異なった説明の仕方になりますが、考え方の中核となる部分を受け取ってほしいと思っています。