2003〜2005年度 平成15年度 科学研究費補助金 基盤研究B(一般)

(Grant-in-Aid for Scientific Research (B), Japan Society for the Promotion of Science)

 課題番号

15320052

 研究課題

指示と照応に関する理論的・実証的研究 ---経験科学としての生成文法を目指して
Theoretical and empirical studies of reference and anaphora ---Toward the establishment of generative grammar as an empirical science ---

 研究の目的

 人間の認知活動において、言語に関わる部分、特に「文法」が、他の認知に関するメカニズムとは独立の、言語のみに関わるメカニズム(言語機能)であると仮定し、その存在を経験的に示すことが生成文法の目標である。したがって、発声に関する生理的制約、あるいは、意味解釈に関する一般的認知的制約からは独立のメカニズムの存在を仮定しなければ説明できない現象があるということを示して初めて、生成文法の存在意義が証明される。そのような現象の候補として考えられるものに文法的一致現象がある。そのため、英語を初めとした印欧語の研究においては、一致現象を中核として、文法の存在を示す言語現象の議論が提出されてきた。しかし、一致現象が顕在化していない日本語において、文法の働きが観察可能な言語現象を見出すことは容易ではない。そのため、日本語における生成文法研究では、印欧語において文法の働きが観察される現象を日本語に置き換えて、矛盾しない結果が見られると言うにとどまるものがこれまで多かった。しかし、これでは経験科学としての研究とは言い難い。生成文法を経験科学として営むためには、はっきりとした予測を生む仮説を立て、事実の観察結果がどのような場合に、その仮説が裏付けられる、もしくは反証されることになるのか、その関連が曖昧性なく述べられている必要がある。

 本プロジェクトの根幹をなすのは、一致現象が顕在化していない日本語でも、文の「構成的意味(compositional meaning)」に注目することによって、文法の働きを観察することができるという主張である。意味に関わる観察をデータとする以上、語彙の意味とその統語構造によって表される、文の構成的意味と、一般知識に言及して得られる非言語的・運用的な意味を峻別することが非常に重要な課題となる。その基礎的部分をなすのは、Hajime Hoji氏の束縛変項照応(bound variable anaphora: 以下、BVA)解釈に関する一連の研究とそれを発展・統合させた上山の研究である。Hoji氏は、1985年の博士論文以来、BVA解釈が成り立つかどうかを決定する仕組みが存在するということを膨大な現象の緻密な観察に基づいて説得的に示してきた。上山は、Hoji理論の基盤となっている分析技術を継承しながら、その理論では説明のできないBVA解釈のパターンを重点的に調べた。その結果、BVA解釈に見えるものの中にも、運用的意味に大きく依存しているものもあることが示され、構成的意味に基づくBVA解釈と区別するための言語学的手法も明らかになった。

 しかし、さらに第3のタイプとして、構成的意味と運用的意味のどちらも関与しているように見えるBVA解釈が存在する。ここで対象にしている現象は、英語の研究、特に言語哲学の分野で比較的古くから問題にされてきた構文も含んでいる。その中の最も有名なものは、一般にロバ文と呼ばれ、Every farmer who owns a donkey beats it. という例文で代表される。ここで、a donkey と it の間にはBVA解釈(のようなもの)が観察されるが、この2つの語は、通常、BVA解釈が可能になる統語関係にはないので、構成的意味のみによる解釈とは考えられない。一方、この解釈が可能であるためには、a donkey と it の両方が every という量化詞のスコープの中に入っていることが必要であり、a donkey がitに先行していることも必要である。したがって、このBVA解釈が運用的意味だけに依存していないことも明白である。

 構成的意味が関与している可能性がある限り、このBVA解釈を単純に文法研究の対象外におしやるわけにはいかない。関連する現象を予測できる仮説が構築可能なのか、そのためにはどのような概念を文法の中に取り込まなければならないのか、そしてその概念は果たして文法の他の概念と相互作用を生むのか、等の考察をした上で結論を出す必要がある。本プロジェクトの目的は、まさにここにある。

 上山の博士論文においても、このタイプの解釈の説明を試みたが、この問題は英語においても有名な問題であるため、異なる観点からこの現象に取り組んできた研究者も多い。そこで、本プロジェクトでは、経験科学としての生成文法研究という基盤は保持した上で、この現象に関して異なる見解を持っている研究者を招き、徹底的に意見をたたかわすことによって、より高いレベルの理論を構築することを目指している。異なるアプローチを比較して評価をするためには、(i) それぞれの理論が予測するところを正確に見極め、(ii) どの部分で異なる予測をするか明らかにした上で、(iii) どのような現象を観察すればその予測が検証できるかを吟味し、(iv) 実際に検証をする、という段階を踏む必要がある。すなわち、異なるアプローチとの差別化を図る過程で、それまでは見落としていた側面に気がつく可能性が非常に高い。

 構成的意味に基づくBVA解釈の理論に基づいて、南カリフォルニア大学、京都大学、九州大学では、量化表現のスコープ解釈に関する理論や否定極性表現、省略構文に関する分析などが展開されてきている。本プロジェクトで対象にしているBVA解釈の位置づけが明らかになれば、その仮説とこれらの現象との間の相互作用も新たな予測を生むことになり、さらに広範囲の事実に基づいて理論を検証していくことが可能になる。このような積み重ねによって、一致現象などに基づく生成文法研究とは別の観点から、文法というメカニズムの存在を証明できる期待が持たれる。

 研究成果 (報告書 前書き より)

 本プロジェクトの研究成果のほとんどは論文の形で発表されており、その中の主なものを報告書に収録した。

 今回の3ヵ年のプロジェクトにおいては、特に理論言語学の方法論的側面において、当初の目標よりも目立った進展があった。その中で特に重要なキーワードとなるのは、次の3つである。

   falsification
   corroboration
   CFJ (Call For Judgment)システム

 科学という営みを進めていくためには、「ある理論を他の理論と比べて評価する」ということが必要不可欠である。それがなければ単に諸説が並び立つ状態になるだけで、科学の進歩は望めない。つまり、まず必要なのは、何をもって「進歩」とするのか、という問題であり、これは、その分野の科学の本質に関わることである。そして、それが定まれば、どのようにして理論の評価を行うべきかも、おのずからはっきりするだろう。

 一般的に言って、科学の進歩というものには、量の側面(=どれだけ広範囲をカバーしているか)と質の側面(=どれだけ本質をとらえているか)がある。この2つを比べると、量の側面のほうは、比較ということが可能な場合が多いが、質の側面を評価するのは難しい。どちらの理論のほうが「より本質をとらえたもの」であるかということは、客観的に評価できないと考えられていることもあるかもしれない。これに対して、Hoji 2003以来しばしば言及されている falsification と corroboration という概念は、まさに、この「質の側面」を評価するための方法だと考えることができる。つまり、ここで前提とされているのは、
「本質をとらえた仮説」であればあるほど、その予測が広範囲に渡って(i.e., もともと観察されていなかったところでも)検証されるはずだ
という考え方であり、この考え方に基づいた評価を行うために、次のような規定がされている。
  • 理論は、falsifiable に(=もともと観察されていなかったところについても予測が立つように)述べられていなければならない。(そうでないと「評価」ができないからである。)
  • falsify された理論は、たとえ代案がなくとも、原則的に、破棄もしくは「やり直し」が義務的となる。
  • falsify されていない理論が複数ある場合には、corroboration の度合いで評価される。
これらの手順によって、複数の理論を評価し、絞り込むことが可能になるという提案を本プロジェクトでは推進していきたい。この考え方の詳しいことについては、本報告書の最後の論文に詳しく述べられている。

 また、これらの評価において重要な役割を果たすのがCFJシステムである。これは、一見、従来のアンケート調査と同じようなものに見えるかもしれないが、本プロジェクトでは、この調査によって説明対象となる一般化を導き出すことはない。この調査は、あくまでも、上で述べた「理論の評価」の一環である。このシステムの具体的なことについては、本報告書の冒頭の論文で紹介されている。また、本報告書の最後の論文でも、このシステムの具体的な応用方法が論じられている。

報告書の表紙と目次 (pdf)

 研究組織

研究代表者 上山 あゆみ (九州大学大学院人文科学研究院 助教授)
研究分担者 田窪 行則 (京都大学大学院文学研究科 教授)
郡司 隆男 (神戸松蔭女子学院大学大学院文学研究科 教授)
Christopher Tancredi (東京大学大学院総合文化研究科 助教授)
蔵藤 健雄 (琉球大学教育学部 助教授)
海外共同研究者 Hajime Hoji (米国 南カリフォルニア大学 言語学・東アジア言語文化学科 準教授)
Orin Percus (フランス ナント大学言語科学科 准教授)
J.-R. Hayashishita (ニュージーランド オタゴ大学日本語学科 助教授)
研究協力者 片岡 喜代子 (日本大学非常勤講師)
川添 愛 (国立情報学研究所 科学研究支援員)
齊藤 学 (帝京大学帝京Abroad Center 日本語教育部門 講師)
高井 岩生 (九州大学大学院博士後期課程)
田中 大輝 (九州大学大学院博士後期課程)
山田 絵美 (九州大学大学院修士課程)

 研究発表

(1) 学会誌等
郡司隆男 (2004) 「意味と論理」『ことばの科学ハンドブック』(研究社), pp.151-194.
郡司隆男 (2004) 「日本語のアスペクトと反実仮想」, Theoretical and Applied Linguistics at Kobe Shoin, No. 6, pp.21-34.
Gunji, Takao (2005) "Measurement and Quantification Revisited," Theoretical and Applied Linguistics at Kobe Shoin, No. 8, pp.21-36.
郡司 隆男 (2005) 「言語普遍性と個別性」,『月刊言語』, Vol. 34, No. 8, 2005, pp. 24-31.
郡司 隆男 (2006) 「日本語の NPI の韻律と意味」Theoretical and Applied Linguistics at Kobe Shoin, No. 9, pp.17-30.
Hayashishita, J.-R. (2003) "Restriction on Covert Movement-Evidence from Comparative Ellipsis in Japanese," Japanese/Korean Linguistics 12, pp.243-254.
Hayashishita, J.-R. (to appear) "On Japanese Comparatives (tentative)," in Proceedings of Asian GLOW 5, Jawaharlal Nehru University, New Delhi.
Hayashishita, J.-R. (to appear) "On Adnominal 'Focus-Sensitive' Particles in Japanese," in Japanese/Korean Linguistics vol.13, CSLI Publications.
Hoji, Hajime. (2003) "Falsifiability and Repeatability in Generative Grammar: A Case Study of Anaphora and Scope Dependency in Japanese" Lingua 113/4-6, pp.377-446.
Hoji, Hajime & Yasuo Ishii (2004) "What Gets Mapped to the Tripartite Structure of Quantification in Japanese," The Proceedings of 23rd West Coast Conference on Formal Linguistics 23, pp.346-359.
Hoji, Hajime (to appear) "Reconstruction Effects in Passive and Scrambling in Japanese," The Proceedings of 13th Japanese/Korean Linguistics Conference.
Kataoka, Kiyoko (to appear) " 'Neg-sensitive' elements, Neg-c-command and Scrambling in Japanese." Japanese/Korean Linguistics 14. CSLI
Kataoka, Kiyoko (to appear) "Scrambling, Resumption, and Scope of Neg." Japanese/Korean Linguistics 15. CSLI
Kurafuji, Takeo. (2004) "A Demonstrative Analysis of Anaphora in Hob-Nob Sentences," Proceedings of the International Workshop on Logic and Engineering of Natural Language Semantics 18, pp.61-72.
蔵藤健雄 (2004) "Plurality, Definiteness, and the Semantic Parameter," Language and Linguistics, Academia Sinica 5, pp.211-242.
Kurafuji, Takeo. (2006) "Parse(wh) and the Ineffability Problem of Multiple Wh-Questions," Ryudai Review of Euro-American Studies 50, pp.33-53.
蔵藤健雄 (印刷中) "A Remark on Argumentation in OT Syntax: Legendre's Analysis of Romanian Verbal Clitics" 琉球大学教育学部紀要.
蔵藤健雄 (印刷中) "A Formal Account of the Epistemic Modal Scale: With Special Reference to Should, Must, and Their Japanese Counterparts" 琉球大学欧米文化論集。
Takubo, Yukinori. et al. (2003) "Lexical Manifestation of an Extensionalizing Operator in Japanese," The conference handbook of the Second Seoul International Conference on Discourse and Cognitive Linguistics, pp.593-604
田窪行則 (2003) 「言語の形式的アプローチと機能主義的アプローチ」『日本語学』vol.22, No.9, pp.6-11.
田窪行則 (2005) 「日本語の文構造」, 朝倉日本語講座1『世界のなかの日本語』 東京: 朝倉書店、 pp.42-64.
田窪行則 (2005)「感動詞の言語学的位置づけ」月刊『言語』 34.11.大修館書店、14-21.
田窪行則 (2005)「中国語の否定:否定のスコープと焦点」『中国語学』 252号 日本中国語学会、pp.61-71.
Takubo, Yukinori. (in press) "Overt Marker for Individual Sublimation in Japanese," in: Shibatani, M. et al. (eds.) The History and the Structure of Japanese. Tokyo: Kurosio Syuppan.
田中大輝 (印刷中) 「量化表現のグループ解釈とスコープの局所性」Kansai Linguistic Society 26号.
上山あゆみ (2004) 「日本語の比較構文についての一考察」、『文学研究』101号, pp.45-67.
上山あゆみ (2005) 「経験科学としての生成文法 ---文法性と容認可能性---」『九州大学言語学論集』, 第25・26合併号, pp.189-213.
上山あゆみ (2006) 「節の構造とjudgmentタイプ ---Where Thetic/Categorical Distinction Meets Grammar---」、Scientific Approaches to Language, vol.5, pp.107-126, 神田外語大学言語科学研究センター。

(2) 口頭発表
Gunji, Takao (2004) "Japanese Aspects and Counterfactuals," presented at Quarterly Workshop I, Kyoto University, September 11, 2004
Hayashishita, J.-R. (2004) "On So-called Focus-Sensitive Particles in Adnominal Positions," presented at Quarterly Workshop I, Kyoto University, September 11, 2004
Hoji, Hajime (2003) "Passive, Unaccusative and Scrambling in Japanese," Second Workshop on Functional, Historical and Generative Approaches to Japanese, UCLA, February 21, 2003.
Hoji, Hajime (2003) "Falsifiability and Repeatability in Generative Grammar: A Case Study of Passive and Scrambling in Japanese", 13th Japanese/Korean Linguistics Conference, August 1-3, 2003, Michigan State University.
Hoji, Hajime (2003)"Resumption in Japanese: A Preliminary Study," (with Ayumi Ueyama) Presented at Western Conference on Linguistics (WECOL 2003), University of Arizona, Tucson, Arizona, September 26-28, 2003.
Hoji, Hajime (2004) "What Gets Mapped to the Tripartite Structure of Quantification in Japanese," (with Yasuo Ishii) Presented at the 23rd WCCFL (Western Conference on Formal Linguistics), April 23-25, 2004, University of California, Davis.
Hoji, Hajime (2005) "A Major Object Analysis of the So-called Raising-to-object Construction in Japanese (and in Korean)," presented at the Korean/Japanese Syntax and Semantics Workshop, Kyoto University, Japan, February 21-22, 2005.
Hoji, Hajime (2005) "Scrambling, PF and LF adjunction (and null operator movement in Japanese)," presented at the MayFest (WHFest), University of Maryland, May 13-15, 2005.
Hoji, Hajime (2005) "A Major Object Analysis of the So-called Raising-to-object Construction in Japanese," presented at the LSA Workshop on Control and Raising, Harvard University, July 7-10, 2005.
Hoji, Hajime and Ayumi Ueyama (2003) "Resumption in Japanese: A Preliminary Study," presented at Western Conference on Linguistics, The University of Arizona, .September 26, 2003.
Kataoka, Kiyoko (2003) 「否定要素をc-統御する否定呼応表現」、第28回関西言語学会(神戸市外国語大学) 2003年10月19日.
Kataoka, Kiyoko (2004) "'Neg-sensitive' Elements, NEG-c-command and Scrambling in Japanese," The 14th Japanese/Korean Linguistics Conference, November 5-7, 2004. The University of Arizona.
Kataoka, Kiyoko (2005) "Scrambling, resumption, and scope of Neg," The 15th Japanese/Korean Linguistics Conference. October 7-9, 2005, The University of Wisconsin-Madison.
Takubo, Yukinori, Hiroshi Mito, and Hiroko Sawada (2004) "Two-layered System for Japanese Tense-Aspects," presented at Quarterly Workshop I, Kyoto University, September 11, 2004.
Takubo, Yukinori (2005) "An Overt Marker for Individual Sublimation in Japanese," presented at Workshop on Japanese and Korean Linguistics, February 21-22, 2005.
田窪行則 (2005) 「ところだ条件文再考」、第205回 筑紫国語学談話会、九州大学、2005年 12月27日。
田中大輝(2003a)「『AやB』の形式的意味と語用論的適切性条件について」, 日本言語学会第126回大会, 青山学院大学.
田中大輝(2003b)「wh疑問文の構造と解釈の問題について」, 関西言語学会第28回大会 ワークショップ, 神戸市外国語大学.
田中大輝(2004)「QRとattachment transformation」, 日本言語学会第128回大会, 東京学芸大学.
田中大輝(2005)「不定名詞句のスコープとchoice function」, 関西言語学会第30回記念大会, 関西大学
上山あゆみ (2006) 「節の構造とjudgmentタイプ---Where Thetic/Categorical Distinction Meets Grammar---」、神田外語大学・言語科学研究センター(CLS)公開ワークショップ『日本語の主文現象と統語理論』、神田外語学院、2006年2月11-12日。

(3) 出版物
片岡喜代子 (出版予定) 『日本語否定文の構造:かき混ぜ文と否定呼応表現』、博士論文、九州大学。
川添愛 (出版予定) 『動詞・項名詞句の意味合成と文構造』、博士論文、九州大学。
北川善久・上山あゆみ (2004) 『生成文法の考え方』、研究社。
齊藤学 (2006) 『自然言語の証拠推量表現と知識管理』、博士論文、九州大学。
Hoji, Hajime. (2003) "Surface and Deep Anaphora, Sloppy Identity, and Experiments in Syntax," In A. Barss, ed., Anaphora: A Reference Guide, Blackwell, pp.172-236.
Hoji, Hajime, Satoshi Kinsui, Yukinori Takubo, & Ayumi Ueyama (2003) "Demonstratives in Modern Japanese," in A. Li, & A. Simpson, eds., Functional Structure(s), Form and Interpretation: Perspectives from East Asian Languages, Routledge, pp.97-128.
Ueyama, Ayumi (2003) "Two Types of Scrambling Constructions in Japanese," in A. Barss, ed., Anaphora: A Reference Guide. Blackwell, Cambridge, pp.23-71.